生理不順に効果のある9種類の漢方薬

婦人症状

生理不順は女性の宿命的な苦しみです

生理不順、生理異常、あるいは月経異常といわれるものには、次のようなものがあります。

生理不順の種類

早発(そうはつ)月経

初発年齢が極端に早く、十歳以前にあらわれる場合。卵巣(らんそう)・下垂体(かすいたい)などの腫瘍が原因のことが多いです。

晩発(ばんはつ)月経

十八歳をすぎても、初潮がみられない場合。卵巣の発育不全が多いですが、栄養不足・心臓病・結核・梅毒、あるいは鎖陰(さいん)などのことも。

無月経

生理的なもの(心配のない無月経)と病的なものがあります。これについては後述します。

過少月経

月経の量がきわめて少ないもの。

稀発(きはつ)月経

三か月に一度とか、四か月に一度しか月経がないものです。過少月経とともに、卵巣機能不全のことが多いです。現代医学的には、ホルモン療法を主体とし、ときに物理療法や手術を行います。

頻発(ひんぱつ)月経

月経の間隔がひじょうに短いもの。

過多月経

月経の量が異常に多いもの。頻発月経とともに、月経過剰症ともいいます。

月経困難症

その最中や前後にさまざまな障害があらわれるもの。くわしくは、後述します。

いずれの場合も、正確に原因をつかんでおかなくてはならないから、医師(婦人科)の診察を受けておくことが大切です。

無月経の症状と原因

妊娠中や産後、授乳中の無月経は生理的なものです。また、月経は環境の変化、精神的なショックなどで一時的にとまることもありますが、これは生理的とはいえませんが、病的ともいえないので、心配はいらないです。

ふつう病的な無月経というのは、子宮の病気や異常・卵巣の故障・ホルモン分泌の異常、あるいは先天的なものによる場合をいいます。現代医学の治療は、ホルモン療法(卵胞ホルモンや性腺刺激ホルモンなどを使う)を主体とし、必要に応じて物理療法や手術などを行います。

過多月経の症状と原因

出血量の多少はかなりの個人差があり、cc以上なら過多というぐあいに、一概にいうことはできません。ちなみに、平均的な出血量は一〇〇cc前後です。少なくとも貧血などのさしさわりがあるかどうかが問題になります。

ことに月経が不規則で、たえず出血する場合は、量の多少にかかわらず子宮ガン、その他の不正出血を疑う必要があります。そのほか、子宮筋腫(しきゅうきんしゅ)・子宮の位置異常・ホルモン分泌の異常・便秘・骨盤内のうっ血などが考えられます。

現代医学的には、原因療法ということになるが原因不明の場合でも、貧血をともなうのがふつうなので、鉄分を多くとるようにします。

月経困難症の症状と原因

主な症状には、下腹部痛・頭痛・頭重・乳房や腰の痛み・不快感・だるさ・めまい・便秘・下痢・肩こりなどがあるが、人によっては乳房がしこったり、お腹が張ったり、にきびが増えることもあります。あるいは、興奮しやすい・イライラする・不安感・ふさぎこむなどの神経症状も少なくないです。

病的な原因としては、子宮筋腫・子宮発育不全・子宮後屈・子宮前屈などの子宮の炎症や異常、卵巣機能の不全、卵管の炎症などのほか、ホルモン分泌や自律神経の異常も関係してきます。

なお、月経困難で生活にさしさわりがあるときでも、鎮痛剤やホルモン剤の乱用は避けるべきです。使用法を誤るとかえってよくないからです。

漢方は典型的な瘀血症

昔から月のさわりとして、女性の宿命的な苦しみと考えられてきましたが、漢方ではすでに述べたように、月経そのものを瘀血(古い血のたまったもの)としてとらえています。つまり、生理不順や異常は、典型的な瘀血症です。

原因がはっきりしている場合は、原病を治療するのが先決ですが、この症状は原因不明のことが多く、いわゆる半健康の状態です。それだけに漢方では得意の分野であり、またホルモン分泌異常や自律神経失調によるものにも有効です。

生理不順に効果のある漢方薬

四物湯

貧血の傾向がある人の無月経に。子宮発育不全や卵巣機能障害があってもよいです。

加味逍遙散

体質虚弱で、貧血性の無月経に。不眠・不安があって、気分すぐれぬものにも可。

十全大補湯

病後の疲労による無月経に。長期の授乳で衰弱して、月経がない場合でもよいです。桂枝茯苓丸・無月経・月経過多・月経困難に一般的に用いられます。目標は、比較的体力があり、のぼせやすく、手足が冷え、肩がこり、鼻血が出やすく、顔に赤みが多いなどに。

桃核承気湯

上の症状で便秘するものに。

温経湯

体力がなく、冷え症、手足のほてり、くちびるの乾きのある人に用いて効果があります。

柴胡桂枝湯

下腹部に圧痛はなく、肋骨の下に圧痛があり、腹直筋がつっぱっているような人に。

当帰芍薬散

無月経・月経困難に広く用いられます。目標は、貧血ぎみで、顔色わるく、手足が冷え、頭痛、めまいを起こしやすい人に。

当帰芍薬加附子湯

上よりも冷えが強い人に。

半夏厚朴湯

精神不安などから無月経になりやすい人、月経時に神経症状を起こしやすい人に。想像妊娠の場合にも用いられます。目標は、胃腸が弱く、のどに異物感があるなど。

生理痛体操も有効

月経直前から月経中の数日間は、ふだんより体調に気をつけ、規則正しい生活、じゅうぶんな睡眠を心がけ、心身の疲労を避けます。

生理痛は、骨盤内の充血と子宮筋の収縮によって起こるから、マッサージや体操が有効です。

生理痛体操は、次のように行います。

①あおむけになり、膝を曲げ、腹式呼吸します。

②両足を広げ、左足をゆっくり上げて左手でつかみます。手を放して足をゆっくり下げたら、右足も同じようにします。これを交互に数回繰り返します。

③あおむけのまま、両膝を抱きかかえ、腰までつけるようにします。これを数回繰り返します。

民間療法

モモの種子(桃仁(とうにん)=漢方の桃核承湯の主剤)一〇グラムを一日量として煎じて飲みます。クロゴマをすり、一さじ分を茶わんに入れ、お茶を注いで、熱いのを飲むのもよいです。

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