歩くたびに起こる膝の痛み…人生を狂わせるひどいO脚が恨めしい

体験談

朝起きて最初に歩くときに、足がこわばったような痛みを感じる。歩行の際に膝に痛みが走り、平らなところを歩くのもつらい……。
60代の女性の中には、こうした「歩行による膝の痛み」に悩んでいる方も少なくないのではないでしょうか。

このような自分ではどうにもならないつらい症状の緩和や体質改善には、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか? 
「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を医師がお答えしていきます。

今回は「歩行による膝の痛み」をテーマに、神戸海星病院麻酔科の桐田泰江先生にお話を伺ってみました。 

長い老後のためにも回復したい…歩くだけで痛む膝の症状はどう治せば?

芳江さん(62歳女性)、主婦の方からご質問をいただきました。

2年ほど前から歩くたびに膝に不快な痛みやこわばりが起こるようになり、悩んでいます。
特に歩き始めや階段の上り下り、遠出した際に長時間歩き回るような時は痛みがつらく、ベンチや座れるところを探しては、ちょこちょこと休憩を取らずにはいられないほど。
最初は膝が冷えて痛くなったのかな、と思い温めたりもしていたのですが、多少は痛みが軽減するものの気休め程度にしかならなくて……。
やはり歩くとどうしてもまた痛みが起きてしまうため、行きつけの病院で診てもらったところ、「変形性膝関節症」との診断でした。加齢によって軟骨がすり減ったりすることで膝の関節に炎症が起きたり変形したりして痛みが起こるそうなのですが、私の場合は特に、幼少期からのひどいO脚のせいもあって関節に負担がかかっているそうなんです。
若い頃はO脚でミニスカートが似合わないのに悩み、歳をとってからはO脚のせいでこんな痛みに耐えなければならないなんて、本当に自分のスタイルの悪さを恨めしく思うばかりです。
とはいえ、まだまだ62歳、長い長い老後を考えると、歩けなくなるなんていうことのないよう、少しでも回復させなければと思っています。
塞ぎ込みがちな気持ちをどうにか奮い立たせて前向きに回復を目指したいのですが、何か良い痛みの緩和方法や症状改善の方法があれば教えてください。

ご質問ありがとうございます。
歩くたびに膝の痛みを感じるとなると、どうしても運動不足になり、気持ちも塞ぎ込んでしまいがちですよね。
今回は、歩行による膝の痛みの原因や改善方法について、詳しくお伝えしていきましょう。

歩くと膝が痛いのは軟骨のすり減りや関節の炎症が原因

歩行の際に起こる膝の痛みは、主に加齢により膝の関節の軟骨が摩擦などですり減ったために生じる「変形性膝関節症」によって起こることが多いと考えられます。
膝の内側の軟骨がすり減ると、関節の内側を覆う膜(滑膜)に炎症が起きたり、進行すると関節軟骨の下にある骨が硬くなったり、関節のすきまが狭くなってきたりします。
また、とげ状の骨(骨棘)や骨の空洞ができて、関節が変形していきます。
他にも、関節リウマチによる関節の炎症、事故の後遺症やスポーツによる膝靭帯の損傷、閉経後のホルモンバランスの変化や肥満、O脚、膝に負担のかかりやすい動作の繰り返しなどでも膝裏の痛みや違和感が生じることがあります。

東洋医学では、膝の痛みは「気・血・水(生命エネルギー・血液・水分)」のバランスの崩れから生じるとされ、血行の悪化やホルモンの乱れにより、体内に不要な水分が溜まることで痛みが起こると考えられています。

次の章では、このような「歩行による膝の痛み」を改善するための具体的な方法をお伝えしていきましょう。

歩行による膝の痛みを改善する対処法3選

1.歩行に使う太ももの筋肉を鍛えましょう

歩くたびに膝が痛いとなると、なかなか外に出て活動的に過ごしたりする気持ちになれなかったり、これまで続けていた運動がつらくなって中断している、という方も多いのではないでしょうか。
加齢による自然な筋肉の衰えに加えて運動不足が加わることで、下半身の筋力が衰えてしまうことも、膝の痛みをさらに悪化させる原因になってしまいます。
歩く時に膝が痛む方は、特に歩行の際の膝の動きをコントロールする太ももの筋力を鍛えることが大切です。
膝に負担がかからず、おうちで座ったままできる簡単なトレーニング方法をご紹介しますので、ぜひ毎日の生活の中に取り入れてみてください。

◎前太ももの筋力を鍛えるトレーニング

①椅子などに腰掛け、足首を交差させながら持ち上げるように足を伸ばします。
②上に重ねた足は「下方向」に、下の足は「上方向」に力を入れ、押し合うように力を入れ5秒キープします。
③足の上下を変え、同じように力を入れて5秒キープします。
※①〜③の繰り返しを5回1セットとし、1日に3回程度行うようにしましょう。

2.サポーターの着用で歩行時の負担を軽減

歩行時にかかる膝への負担は、「体重の3倍」とも言われており、体重が増えるたびに膝への負担も加速度的に増してしまいます。
歩行時の膝の痛みを軽減するには、運動不足や食べ過ぎを避けて体重増加を防ぐことが大切です。

また、歩くたびに生じる痛みがつらかったり、O脚による変形が強く、歩行時の膝の曲げ伸ばしに不自由を感じる方は、市販のサポーターを着用するのもオススメです。
膝の痛い時に無理に激しい運動をする必要はありませんが、サポーターで膝回りを支え、不安定な関節を少しでも安定させることで、関節にかかる負担を軽減することができます。無理はせずとも引きこもらず、できる限り普段通りの生活を継続していきましょう。

3.膝への負担を軽減する服装を心がけましょう

冷えにより膝の痛みが起きやすい方やむくみが気になる方は、服装選びにも気を付けてみましょう。
外出の際は、下半身を冷やさないように保温性の高い肌着を身につけたり、夏場でもあまり薄着をせず、冷房対策のための防寒小物を活用して体を冷やさないようにすることが大切です。
また、ヒールのある靴や歩きにくい靴、サイズのきつい靴は避け、クッション性が良く長時間歩いても疲れにくい靴を選ぶと良いでしょう。

根本的な体質改善には漢方薬が効果的!

歩行による膝の痛みを改善するために、市販薬や処方薬の服用などの選択肢に加えて、根本的な改善を目的としている漢方薬の服用もオススメです。

特に、今回の相談者様のような症状に悩む方に適した漢方薬は、麻杏薏甘湯(マキョウヨクカントウ)です。
膝が腫れぼったく、歩くと筋肉痛のような痛みをともなう方の発汗を促し、体内にこもった余分な「熱」を発散して、関節痛などの痛みを和らげる効果があります。
また、関節リウマチなどから痛みが慢性化し、熱感をともなう激しい痛みのある方には、体内に溜まった余分な水を発散させ、腫れや熱を引かせる効果のある薏苡仁湯(ヨクイニントウ)も良いでしょう。

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継続的な筋力トレーニングで膝の痛みを改善しましょう

今回は、歩行による膝の痛みに悩む方のためのセルフケアや漢方薬をご紹介してきました。
症状の悪化を招く筋力の低下を避けるためにも、膝に負担のない簡単なトレーニングを継続し、運動不足にならないようにすることが大切です。
サポーターなどの力も借りながら、毎日少しずつ筋力を回復させていきしましょう。

また、こうした気になる膝の症状改善には、漢方薬が大きな効果を発揮した例もたくさんあります。セルフケアを試してもなかなか改善しない場合は、ぜひお近くの漢方医や漢方薬局に相談してみてくださいね。


<監修者>

麻酔科医 桐田泰江

神戸海星病院麻酔科勤務。シドニー大学院 Master of pain managementにて医学修士号取得。
慢性の痛みが社会に与える損失は計り知れません。痛みは可視化するのが難しく、他人になかなか理解してもらえないという辛さもあります。
痛みの研究の最先端であるシドニー大学で学んだ知識をもとに日本人に合ったアプローチを日々研究しております。

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