始めの一歩がつら過ぎる! 膝裏の痛みですっかり出不精&運動不足に…

体験談

階段を登ろうとすると膝の裏に痛みが走ることがある、立ち上がろうとする時に膝の裏に痛みを感じる……。
60代の女性の中には、こうした「膝裏の痛み」に悩んでいる方も少なくないのではないでしょうか。

このような自分ではどうにもならないつらい症状の緩和や体質改善には、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか?
「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を、医師がお答えしていきます。

今回は「膝裏の痛み」をテーマに、神戸海星病院麻酔科の桐田泰江先生にお話を伺ってみました。 

膝裏の痛みと違和感さえなければ…老後の楽しみを奪う痛みが憎い!

千賀子さん(64歳女性)、主婦の方からご質問をいただきました。

「このところ、膝裏に突っ張るような腫れぼったいような痛みを感じることが多く、動くのが何だかおっくうになってしまって困っています。痛みといっても、激痛が走るというほどではなく、ちょっとした違和感というような感じです。急に立ち上がったり階段を登りかけた時に「アイタタタ!」となるので、それが嫌でどうしてもノッソリノッソリとした緩慢な動きになってしまって。
先日も、仲の良い友人とデパートにショッピングに行ったのですが、颯爽と歩く同年代の友人の横でヨタヨタと歩く自分が情けなくて…。ひとたび動き出してしまえば痛みはなくなるものの、腫れぼったい膝をかばって歩くことが増えたせいか姿勢も悪くなり、最近は腰にまで痛みが出るようになってしまいました。
それに、ただでさえ運動不足が続いていたところにこの症状で、ますます出不精になったせいか、ふくらはぎのむくみも気になります。
この膝裏の痛みさえ良くなれば、定年退職して暇そうな夫と色々と出かけたいとも思っているのですが…。どうにかしてこの痛みをスッキリ解消する方法はないでしょうか?

ご質問ありがとうございます。
膝裏の痛みは、歩き出した瞬間や立ち上がった時など、動作の初期段階で起こることが多いため、動くことにストレスを感じてしまいがちですよね。
今回は、膝裏の痛みの原因や改善方法について、詳しくお伝えしていきましょう。

膝裏の痛みは膝関節の変形や炎症が原因

膝裏の痛みは、主に加齢により膝関節の軟骨が摩擦などですり減ったために生じる「変形性膝関節症」により起こることが多いと考えられます。
膝関節は前面に膝蓋骨(しつがいこつ)があるため、炎症により過剰に分泌された関節液が後方の膝裏に溜まり、痛みや違和感を生じます。
他にも、関節リウマチによる関節の炎症、事故の後遺症やスポーツによる膝靭帯の損傷、閉経後のホルモンバランスの変化や肥満、O脚、膝に負担のかかりやすい動作の繰り返しなどでも膝裏の痛みや違和感が生じることがあります。

東洋医学では、膝裏の痛みは冷えやむくみ、加齢により生命力の源である「腎(じん)」が衰え、「腎虚(じんきょ)」の状態になることで痛みが生じると考えます。

次の章では、このような「膝裏の痛み」を改善するための具体的な方法をお伝えしていきましょう。

膝裏の痛みを改善する3つのセルフケア

1.膝を緩めるストレッチを習慣づける

膝裏の痛みや違和感などから、歩いたり体を動かすのがおっくうになってはいないでしょうか。
痛みを避けるために普段から体を動かさなくなると、余計に膝まわりの筋肉が凝り固まり、関節を動かしづらくなってしまいます。
運動不足から体重が増え、膝への負担を増やしてしまうことにもなりかねません。膝回りの筋肉を緩め、歩行をスムーズにするためのストレッチをご紹介しますので、日々のストレッチに取り入れてみてください。

◎膝を緩めるストレッチ
①ふらつかないように安定した場所につかまって立ち、背筋を伸ばします。
②足首を手で持ち、太腿の前の筋肉を伸ばすように膝を後ろに曲げます。
③深い呼吸で酸素を吸い込みながら30秒キープ。左右2回ずつ行います。

2.ツボ押しで膝裏の血行促進をしましょう

夜になると膝の裏が痛い、湿気のある時期は体がむくんで膝が痛い、という方にオススメなのが、手軽にできる、膝裏のツボ押しです。
膝裏のくぼみの真ん中にある「委中(いちゅう)」というツボを押して、血の巡りを良くし、ふくらはぎのむくみを改善して膝裏の痛みを緩和しましょう。このツボは、膝まわりの痛みだけでなく、腰痛にも効くため、足腰の痛みの強い方は、ぜひ取り入れてみてください。

◎委中(いちゅう)
場所:膝を少し曲げたときに裏にできる横ジワの中央にあるツボ。
床や椅子に腰掛けて膝を軽く曲げ、両手で膝を包むように構えて、人差し指か中指で膝のお皿中央に向かって力を入れ、ぐっと5秒ほど押し、5秒ほどかけてゆっくり力を緩めていきます。これを片側3〜5回ずつ繰り返します。

3.入浴で膝や下半身を温めましょう

冷えや湿気により血流が悪化し、むくみが生じると膝裏の痛みが悪化することがあります。
こうした膝裏や膝周辺の痛みを軽減するには、ストレッチやツボ押しなどに加え、入浴や足湯などで足や体を温めることも有効です。
38~40℃ほどの、熱過ぎない程度の温度のお湯に10〜15分ほどゆったり浸かって、血の巡りを良くしながらゆったりと筋肉の緊張をほぐし、リラックスするようにしてみてください。

根本的な体質改善には漢方薬が効果的!

膝裏の痛みを改善するために、市販薬や処方薬の服用などの選択肢に加えて、根本的な改善を目的としている漢方薬の服用もオススメです。

特に、今回の相談者様のような症状に悩む方に適した漢方薬は、芍薬甘草湯(シャクヤクカンゾウトウ)です。膝裏がひきつって痛い方の、不足した「気(生命エネルギー)」や「血(血液)」を補って筋肉の急な痙攣を鎮め、痛みを緩和する効果があります。
また、太り気味でむくみが強く、膝に水が溜まりがちな方には、余分な「水(水分)」を流してむくみや膝の痛みを緩和する効果のある防已黄耆湯(ボウイオウギトウ)も良いでしょう。

自分の症状や体質にぴったりマッチした漢方薬を選ぶのは難しいと感じがちですが、「オンラインAI漢方」では、お悩みの症状を元にAIがあなたにぴったりな漢方薬をご案内しています。
自宅にいながら気軽に始められますので、ぜひチェックしてみてください。

ストレッチや入浴で膝まわりの血流をUPさせましょう

今回は、膝裏の痛みに悩む方のためのセルフケアや漢方薬をご紹介してきました。
症状の改善のためには、痛いからといって体を動かすのを避けないことが大切です。毎日の暮らしの中にストレッチやツボ押しを取り入れ、1日の終わりにはゆったり入浴して体を芯まで温めるようにしましょう。
また、こうした気になる膝の症状改善には、漢方薬が大きな効果を発揮した例もたくさんあります。セルフケアを試してもなかなか改善しない場合は、ぜひお近くの漢方医や漢方薬局に相談してみてくださいね。

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