腰痛におすすめの漢方薬9種類を紹介します。

症状別の漢方

腰はからだの要(かなめ)です

腰痛は、人間が二本足で立つことになったときからの宿命だといわれますが、最近ではこれに悩まされる人も多くなっているようです。

腰は、文字どおり「からだの要」であるだけに、腰痛という症状もまた、多くの病気と関連があります。大きくわけると、①全身の病気、②消化器の病気、③腎臟・尿管(にょうかん)・膀胱(ぼうこう)など泌尿器の病気、 ④)婦人科の病気、そして⑤腰部に問題がある場合―の五つの原因が考えられます。

腰痛の際に考えられる病気

全身の病気では、高血圧・糖尿病・脚気などがあります。もっとも、そのすべてが腰痛を起こすわけではありません。動脈硬化をともなう血栓症(けっせんしょう)のように、腹部で大動脈がつまる病気のときも、腰から太ももにかけて痛みを生じることがあります。かぜをひいて熱を出すと、腰が痛くなるのもこのジャンルに入れてよいでしょう。

消化器の病気では、胃かいよう・慢性の虫垂炎・腸カタル・膵臓炎(すいぞうえん)で腰痛を起こすことがあります。

泌尿器系では、その内臓に腫瘍や炎症、結石などができると、ある時期に腰痛を誘います。

婦人科では、卵巣や子宮の腫瘍、子宮内膜炎などから腰痛を起こすことがあります。

腰部に問題があるものが、むろんケースとしてはいちばん多いです。一過性のギックリ腰のようなものから、慢性の腰痛症・椎間板(ついかんばん)ヘルニア・脊椎すべり症・老人性の変形性脊椎症(へんけいせいせきついしょう)などです。椎間板ヘルニア以下では、太もものうしろ側にはげしい痛みを生じたり、足の先にマヒを起こす坐骨神経痛をともなうのがふつうです。そのほか、脊椎カリエスや脊椎のガンのように、生命にかかわるものもあります。

いずれにせよ、腰が痛む原因は多種多様なので、はげしい腰痛、慢性の痛みがあったら、専門医(ふつうは整形外科)で正しい診断を受けておかなければなりません。

腰痛症の症状

慢性に痛みを訴えるもので、レントゲン写真では骨になんの変化も見あたらないものをいいます。腰痛症では、足のほうまで痛くなることはまれで、足がマヒして歩けなくなることはないです。腰痛症には、ギックリ腰をたびたび起こした結果なるものと、はじめから慢性の経過をたどり、少しずつ痛みを起こすものとあります。

椎間板ヘルニアの症状

背骨・お尻のまわり・足のまわりの痛みが主症状です。中腰でものをもちあげたときなどに、ギックリ腰のかたちで突然痛むことも多いですが、知らず知らずのうちにおそわれることもあります。ひどい場合には立っていられなくなり、寝返りもうてないほどになります。セキやクシャミをすると、痛みがひびいてつらいです。坐骨神経痛を起こしているのがふつうです。

変形性脊椎症の症状

老化現象によるものです。朝起きるときや、起きたあとに痛みが強く、からだをだんだん慣らしているうちに楽になり、夕方疲れてくると、また痛みにおそわれます。これも坐骨神経痛をともない、ときには足のほうへの放散痛や足のしびれ感があるが、マヒは起こさないです。

漢方で痛みの病気は適応症

腰部以外に問題がある場合は、原病を治療するのが先決です。しかし、漢方は全体像をとらえながら治療を考えるから、腰痛という症状が治ったら、もとの病気も治っていたということも少なくないです。そして、痛みの症状に対しては、現代医学の鎮痛剤のような副作用もなく、漢方は適応症なのです。むろん、証を正しくとらえなければならないですが・・・。

腰痛におすすめの漢方薬

葛根湯

急に腰が痛み、寒け・熱があるものに。

八味丸

疲労してだるい感じが強く、口が乾き、腰から下に異常を感じる老人で、胃腸の丈夫な人によいです。高血圧・糖尿病・腎結石(じんけっせき)などの型です。

苓姜朮甘湯(りょうきょうじゅつかんとう)

腰が冷えて重く、小便の近い人に。

五積散(ごせきさん)

血色わるく、下半身が冷え、腰から足、下腹もひきつるように痛み、 のぼせぎみの人に。

当帰芍薬散

貧血して冷え症、腹に力なく、尿が近く、下腹部もなんとなく痛む女性に用います。

桂枝茯苓丸

瘀血(前述参照)が原因の、外傷による腰痛や、婦人科の疾患による腰痛で、下腹部に抵抗圧痛があるものによい。

桃核承気湯

上の症状で、便秘がある場合に。

芍薬甘草湯

痛みどめとして、体力には関係なく一般的に用いられますが、とくに腹直筋がつっぱって、痛むものには卓効があります。

芍薬甘草附子湯

上よりも体力が弱い人に。

急性期をすぎたら腰痛体操

腰痛にも、入浴・マッサージ・体操・あるいはハリ・灸などの物理療法が有効で、漢方薬とあわせて行いたいです。ただし、ギックリ腰や慢性のものでも、ちょうど痛みを起こしているとき(急性期)は安静が必要で、患部の温湿布はよいですが、マッサージはいけないです。急性期をすぎたら、次ページに紹介する腰痛体操で、腰の筋肉をきたえます。

腰痛体操は、六種類の体操を一セットとし、各運動を二〇回ずつ、一日三回行います。ふだんからやっていれば、腰痛予防にもなります。

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