便秘する時におすすめの漢方薬8選

消化器症状

便秘は、健康と美容の大敵です

常習性便秘で、四~五日から一週間以上もフンづまりの状態がつづくと、お腹は張る、不快感は増す―たいへんな苦痛です。そのために、気分がすぐれず、頭痛・肩こり・耳鳴り・不眠・食欲不振などという症状をともなうこともあります。生活のサイクルを乱すばかりでなく、高血圧や動脈硬化のある老人ではますます血圧が上がり、ときには排便時に、便所で脳卒中の発作を起こすなど、健康に害を与えるのです。

あるいは女性の場合、吹出もの・ニキビ・シミが出て、肌が荒れ、つやがわるくなることもあるので、美容の大敵ともいえます。

「快食・快眠・快便」ということばがあるように便秘は、睡眠と食事のサイクルが狂ったときに起こることが多いです。また、旅行とか試験など、精神的緊張によってもひき起こされることがあります。

常習性便秘を、現代医学では機能性便秘と器質性便秘に大別し、機能性をさらに弛緩性便秘(しかんせいべんぴ)とけいれん性便秘にわけています。

便秘する時の症状

弛緩性便秘の場合

腸の運動が弱くなった場合で、無力性便秘ともいいます。ふつう、食事をしたり、水を飲むと、胃・大腸反射といって、腸がぜん動運動を起こし、これが便意につながるのだが、弛緩性便秘ではその反射がにぶいです。便意をもよおしたときに、がまんしたり、何かの都合で排出しないと、せっかくの便意は失われ、それが便秘となります。このタイプの便秘は、ふとく、かたいのが特徴で、下剤を用いてもよいです。

なお、現代医学では、下剤として硫酸マグネシウムなどを使用しますが、逆に下痢を起こして腹痛に苦しんだり、作用がはげしすぎて、うまくいかないことのほうが多いです。

けいれん性便秘の場合

こちらは逆に、腸が異常に運動してしまい、かえって正常なぜん動運動が起きずに、便秘してしまうものであります。ときには、便秘と下痢が交互にあらわれることもあります。胃かいよう・十二指腸かいよう・胆石症・婦人科疾患の人に多く、腹痛をともない、便があれば、ウサギの糞のようにコロコロしているのが特徴です。

このタイプの人は、下剤を用いてはいけません。

器質性便秘の場合

巨大結腸症などの先天的な場合もありますが、腸狭窄症(ちょうきょうさくしょう)・腸閉塞(ちょうへいそく)・直腸ガン・結腸ガンなどのこともあるので、これは医師の治療が必要です。要するに、腸そのものが狭くなったり、ねじれたり、はれものができて、便が通りにくくなっている状態です。この場合は、腹痛をともなうのがふつうです。

漢方が得意の分野、陽証(ようしょう)なら大黄配合剤(だいおうはいごうざい)

病気というよりは、いわゆる半健康の状態としてとらえられることが多いです。しかも、現代医学ではどちらかといえばお手上げの現状であるから、漢方療法がたいへん有効です。

漢方では、便秘をまずおおざっぱに、陽証か陰証かにわけられます。

陽証では、腹部はかたく張り、のどの渇きをともない、舌苔も厚く乾燥していることが多いです。現代医学的にいえば、弛緩性便秘に近く、この場合は、大黄や芒硝(ぼうしょう)など下剤が配合された処方を用います。大黄は中国西北部に自生する宿根草(すくねそう)、タデ科植物のダイオウの根で、近ごろでは大衆薬の下剤にも配合されているものがあります。芒硝は中国の半砂漠地帯からとれる天然塩類ですが、その成分は硫酸ナトリウム、あるいは硫酸マグネシウムだといわれ、いずれも緩下剤(かんげざい)です。

便秘する時に選ぶべき漢方薬

三黄瀉心湯

のぼせ性で顔が赤くほてり、頭が重く、不眠を訴え、みぞおちがつかえる便秘に。高血圧や更年期の便秘にちょうどよい。処方名が三黄となっているのは、大黄・黄連(おうれん)(オウレンの根茎)・黄芩(おうごん)(コガネバナの根)という、濃い黄色の生薬三種から成立しているからです。

大柴胡湯

肥満体質で、胸苦しく、助骨下部に不快感や抵抗がある場合に。高血圧の人にもよいです。

防風通聖散

肥満体質で、へそを中心に腹が膨満していて、胸苦しさや助骨下部の抵抗はない人に。やせている人は使ってはいけません。

桃核承気湯

実証の人で、顔がほてって足は冷える人によいです。女性なら、生理による便秘にも。

麻子仁丸(ましにんがん)

皮膚は乾燥して、小便の回数や量が多い、老人や病後の人、虚弱体質の人に用います。

この処方にも大黄がはいっているが、漢方特有の相殺(そうさい)・相乗(そうじょう)作用で、大黄の強烈な作用はうすらぎます。

これだけは、陰証の便秘に用いてもかまいません。

一方、陰証の便秘とは、腹は張っていてもやわらかく、のどの渇きがなく、舌苔もうすくて湿っているものをいいます。現代医学でいう、けいれん性便秘に近いです。こうしたものには、下剤は使わず、腸の運動を正しくする芍薬や甘草のはいった、次のような処方を使用します。

小建中湯

体質が弱く、疲れやすく、腹痛・寝汗などをともなう、子どもや老人に。

加味逍遙散

更年期の女性で、肩こり・頭痛があって、だるくて疲れやすい人に。

八味丸

腰から下肢にかけて力がなく、疲れやすく、むくむ傾向もある老人に。

便秘を予防する日常生活の知恵

日常生活を規則正しく送ることが肝心です。食事時間・睡眠時間・便所に行く時間がマチマチでは快便のためのサイクルは保てません。そして、便意があるときには、迷わずにトイレに直行します。ふつう、便意は朝食後に生じるものですが、一度これを失すると、翌日まで生じないことがあります。

食事では、弛緩性便秘の人なら、繊維の多い野菜やくだものをたっぷりとります。冷たい牛乳もよいです。ただし、けいれん性便秘の人は、繊維の多いものはかえって腸を刺激するので、野菜やくだものはジュースにします。牛乳もあたためます。

民間療法

乾燥したドクダミ一〇~二〇グラムを煎じて飲むのも便秘に効果があります。

アズキ二〇〇ccを四倍ほどの水で、豆がとけるまで煮て汁をとり、その汁でゲンノショウコ二〇グラムを煮たものを一日分(三回)とします。

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