熱が出た場合に飲むと良い漢方薬とは

全身症状

他の症状との関わり方が重要です。

ふつう、三九度以上の発熱を高熱といいます。高熱の場合は、ただちに医師に連絡する必要があります。三七度前後の微熱の場合は、他の症状との関わり方を見たうえで、しばらく様子を監視しましょう。

熱が出た場合は、なによりも安静にすることが大切です。床をとって横になり、ムリをしてはいけません。むろん、仕事も学校も休むことです。そして、正確に熱をはかります。できれば体温表を記入するようにしたいです。

熱が出た場合に考えられる病気

発熱はひとつの生態反応であって、病気そのものではありません。必ず他の症状をともなっているはずで、その関わり方を知ることが診断の決め手となります。

急に高熱が出て、寒け・ふるえをともなう場合は、悪性のウイルス・細菌・寄生虫などによる急性感染症の疑いが濃いです。全身の筋肉痛・頭痛をともなえばインフルエンザ、のどが痛み、赤くはれているならへんとう炎でしょう。セキ・呼吸困難・食欲不振などをともなえば、肺炎の可能性もあります。子どもなら、高熱のため、ひきつけを起こします。

二、三日不快感がつづいたあと、頭痛・腰部のにぶい痛み・食欲不振があって高熱が出た場合は腎盂炎(じんうえん)が考えられます。お産のあとで、頭痛・倦怠感などがあれば、産褥熱(さんじょくねつ)のこともあります。そのほか、流産・分娩・肺炎・胆のう炎などの余病として、敗血症になっていることもあります。

急に熱が出て、のどが痛む場合は、インフルエンザ・へんとう炎・ジフテリアなど。

急に熱が出て、耳が痛む症状は、子どもに多いです。急性中耳炎では、ひきつけ・うわごとなどの脳症状もあらわれます。耳の下がはれたら、おたふくかぜです。

急に熱が出て、腹痛がある場合は、子どもなら急性の胃炎・腸炎・虫垂炎・赤痢などを疑います。虫垂炎や胃かいようなどからひきつづいて起これば腹膜炎(ふくまくえん)も考えられます。腹痛が右か左の肋骨のへりあたりなら腎盂炎、右上腹部なら胆のう炎です。

熱が出て、胸が痛むのは、かぜ・インフルエンザ・肺炎・肋膜炎(ろくまくえん)などですが、胸が痛むのは、かぜでも気管支までおかされており、かなりの重症です。

急に熱が出て、発疹があらわれる場合は、子どもでは、はしか・風疹・みずぼうそうなどが考えられます。大人なら、腸チフスなどです。発熱と発疹という症状は伝染病の場合が多く、公衆衛生の立場からも、医師の指示をあおぎたいです。

発熱に吐きけ・嘔吐・下痢をともなう場合は、食中毒・赤痢・疫痢(えきり)・流行性髄膜炎(りゅうこうせいずいまくえん)などです。なお、乳幼児では、かぜのセキでも嘔吐したり、ちょっとした熱でも下痢をすることもあります。

熱が出て、関節が痛むのは、インフルエンザのことが多いですが、急性関節リウマチ・化膿性関節炎工なども考えられます。

高熱でひきつけを起こし、うわごとをいうときは、乳幼児の場合でも、日本脳炎・流行性髄膜炎・肺炎の可能性があるので、必ず医師の診察をしましょう。

発熱して、皮膚や眼球が黄色くなる場合は、急性の肝炎・胆のう炎・肝膿瘍(かんのうよう)などです。

はれものがあって、熱が出る場合、最も多いのが顔のおでき(面疔(めんちょう))。急性のリンパ腺(節)炎や丹毒、あるいは鼠咬症(そこうしょう)でも発熱します。

生後二~四日の新生児が、突然三八~三九度の発熱をみることがありますが、これは体温調節がうまくいかないだけの生理的発熱で、病気ではありませんん。

はじめての夏を迎える赤ちゃんが、三八~三九度の熱を数日間つづけることがあるが、これは夏季熱(かきねつ)といって、やはり生理的発熱の一種です。涼しい部屋に入れるか、薄着をさせればよいです。

乳幼児が興奮したあとの発熱、これも生理的なものです。三〇分ぐらい後に、平熱にもどるのがふつうです。室温が高すぎたり、入浴したあとも体温は高くなるものです。

どんな漢方薬が良いの?

発熱の背後には、必ずなんらかの病変がひそんでいるわけだから、安易な考えで家庭療法を行うべきではありません。漢方を用いる場合でも、医師の診察を受け、その指示にしたがうことが大切です。

ここでは、かぜの初期や、抗生物質を使用しても熱が下がらない場合に用いる処方をあげておきます。

葛根湯(かっこんとう)

体力が中程度以上で、かぜの初期に、頭痛・寒けがあり、のどが痛んだり、うなじや肩がこって、発汗しない場合に処方します。発熱に限らず、広く用いられます。

麻黄湯(まおうとう)

がっちりした体格をした、ふだんは丈夫な人で、寒けがあり、全身の関節がだるかったり、痛む場合に用います。

桂枝湯(けいしとう)

あまり体力のない人で、風にあたると寒けがしたり、汗ばんできたり、鼻がぐずぐずしたりする場合によいです。

桂麻各半湯(けいしかくはんとう)

桂枝湯と麻黄湯の中間の症状に。

桂枝加葛根湯(けいしかかっこんとう)

桂枝湯と葛根湯の中間の症状に。

小柴胡湯(しょうさいことう)

発熱後数日たって、熱が上がったり下がったりして、食欲がなく、セキが出たり、吐きけがある場合に用います。

柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)

上の症状に似ているが、寒けがあったり、汗ばんだりするときによいです。

干したミミズが解熱剤になる

熱が出た場合は、氷のうや氷枕で頭を冷やすとよいが、これは熱を下げるためではなく、病人を気持ちよくさせるためです。高熱でなければ、水枕でもよいです。乳幼児の場合は、肩を冷やすおそれがあるので、氷枕をするときは、タオルなどで肩を保護します。

高熱があって、寒け・ふるえを感じるようなら頭は冷やしてもからだはあたためます。寝具を厚めにし、手足をすっぽりおおえるようにするとよいです。必要に応じて、湯たんぽを使います。

解熱剤は、原因がわかってから使用します。熱を下げたから病気が治るわけではありません。解熱剤使用は、医師の指示をあおいでからにしたいです。

民間療法

解熱剤としてよく使われるのは、干したミミズです。これは漢薬店で「土竜(じりゅう)」の名で売られており、副作用もなく安全です。煎じて服用します。

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