40代のめまい。認めたくないけど更年期障害?読めば分かる対策法!

35-45才

「めまいのせいで1日なにもできずに終わった」と感じるはありませんか?
または、「めまいがするけど、休めばすぐよくなるだろう」とそのまま放置していませんか?
めまいが出る病気には脳出血、脳腫瘍、うつ病、肩こりなどたくさんあります。
もし、更年期世代だったら、そのめまいは、もしかしたら更年期が原因かもしれません。

でも、めまいは、根本的に解決することもできます。
この記事ではめまいが起きた時の対処法やセルフケアから、根本的な治療方法について紹介しています。
ぜひこの記事からヒントを見つけて、めまいのない毎日を過ごしてくださいね。

目次

1 なぜ更年期にめまいが起こるの?めまいと更年期の関係とは

1-1 更年期、更年期障害とは?

更年期障害は、閉経期(閉経の平均年齢50.5歳)の前後10年間に生じる自律神経失調症状と精神症状が相互に関係しあって起こると考えられます。女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)は、20~30代でピークを迎えますが、40代に入ったころから急激に低下し始めます。これにともなって、さまざまな身体的、精神的症状が現れるのが更年期障害です。
更年期障害の症状を感じないまま過ぎる場合もあれは、日常生活に支障をきたすほどひどくなる場合もあります。

1-2 更年期のめまいの症状と原因

1-2-1 更年期のめまいの症状とは?

更年期障害の症状には、のぼせ・発汗、頭痛、動悸、耳鳴り、気分の落ち込み、不安、不眠などの不定愁訴があります。更年期障害からくるめまいの場合、これらの症状がめまいと一緒に現れることが多いです。

めまいは、原因別に次のように分類されます。
・前庭性めまい:耳が原因
・中枢性めまい:脳が原因
・非前庭性めまい:耳・脳以外が原因

また、症状別に次のように分類することもできます。
・回転性めまい:周囲や天井がぐるぐる回るめまい。
・浮動性めまい:体がふらつく、真っ直ぐ歩けなくなるようなめまい。

更年期のめまいは、非前庭性めまいに分類されます。
症状的には浮動性めまいであることが多いです。
めまいの症状の種類は診断をするうえで重要なヒントになります。受診する時には、自分のめまいはどちらのタイプだろうと考えて、めまいの症状を詳しく伝えられるようにしておくと良いでしょう。

1-2-2 西洋医学的に考える更年期のめまいの原因

更年期のめまいは、女性ホルモン(エストロゲン)の減少が原因です。このホルモンバランスの乱れから来る自律神経の乱れやストレスがめまいを引き起こします。また、加齢による機能低下、環境の変化やストレスなども関係があると言われています。

1-2-3 東洋医学的に考える更年期のめまいの原因

めまいは主に水(水分)が原因で起きると考えます。体の中の余分な水が、頭の脳脊髄液や耳の内リンパ液の循環に影響してめまいを引き起こします。
水の巡りが悪くなると、気(生命エネルギー)と血(血液)の巡りが悪くなります。血の巡りが悪くなると、脳や内耳へ十分な血液が循環しなくなり、めまいが起きます。正常の血流量が増加したお血の状態は、血の上衝でのぼせを伴うめまいが起きます。ストレスによって一時的に血圧が上がり、気が熱をもって頭にのぼると、めまいが起きます。また、気の巡りが悪くなれば、水や血の巡りも悪くなってしまいます。

2 めまいのセルフケアの方法。めまいに効くサプリメントもご紹介!

2-1 めまいの発作時のセルフケア

めまいが急に起こったら、横になるか、楽な姿勢になり、めまいがおさまるまで安静にしましょう。

2-2 めまいの予防のためのセルフケア

2-2-1 ストレスを溜めない生活と質の良い睡眠

めまいはストレスが原因になっている場合が多く、職場や家庭での理解と環境改善が重要です。生活リズムを安定させること、質の良い休養や睡眠の確保すること、趣味やスポーツなどによりストレスを改善することが大切です。

2-2-2 大豆イソフラボン(エクオール)

豆腐や豆乳などの大豆製品に含まれるイソフラボンが、更年期障害の症状を和らげると言われています。これは、女性ホルモンのエストロゲンとよく似たエクオールという成分を、腸内細菌が大豆のイソフラボンから作り出しているからです。
ですが、日本人の2人に1人はエクオールを作ることができないと言われています。その場合は、エクオールをサプリメントとして補充すると、更年期のめまいの改善が期待できます。
ご自身が腸内でエクオールを作ることができるかできないかは、エクオール検査(ソイチェック)で調べることができます。

 

3 めまいが起きたらどうしたらいい?めまいの対処法とめまいを引き起こす他の病気

3-1 軽いめまいの対処法

楽な姿勢をとり静かな環境にします。悪い方の耳を上にして寝るとが楽なことが多いです。めまいの処方薬があれば服用しましょう。
手足がしびれる、舌がもつれる、物が二重に見える、意識がもうろうとする、激しい頭痛がする、耳鳴りで聞こえにくいなどの症状がある場合は、速やかに専門医(耳鼻科、神経内科、脳神経外科等)を受診してください。

めまいはいつどこで起こるかわかりませんが、発作を何回か繰り返す人は、めまいの前兆がわかるようになります。耳鳴、耳閉感、ふらつき、頭重感、肩こり、低気圧が近づく、睡眠不足やストレスが続く、といったの前兆があれば車の運転や遠出を控えましょう。

3-2 重いめまいの対処法

めまいの症状が激しく重い場合、専門の医療機関を受診して治療する必要があります。万が一、めまいで転倒したり、頭をぶつけたりしたら、命にかかわる可能性があります。
更年期障害の症状としてのめまいの他にも、めまいを引き起こす病気はあります。ですから、脳神経外科や耳鼻科などを受診して他の病気である可能性はないか診断を受けることをおすすめします。必要に応じて、頭部CT検査や頭部MRI検査など精密検査を受けることが大切です。
めまいを引き起こす他の病気は以下の通りです。

3-3 めまいを引き起こす病気

・メニエール病
耳の奥には内耳と呼ばれる場所があり、内耳の中は内リンパ液で満たされています。
メニエール病は、このリンパ液が余分に増え、リンパ液の調節がうまくいかなくなった状態のことです。そのため聞え方や、体のバランスに異常を感じるようになります。
女性ホルモンのバランスがうまく取れないために自律神経の調節が悪くなることや、ストレスや脱水が原因となって発病することが多いです。メニエール病と更年期のめまいを併発することもあります。めまいの発作時に適切な治療が行われないと、神経の障害が徐々に進行し、めまいや難聴が悪化してしまいます。必ず専門の医療機関(耳鼻科、神経内科、脳神経外科など)を受診しましょう。

・良性発作性頭位めまい症
内耳にある耳石器(じせきき)の中には、カルシウムでできた耳石と呼ばれる小さな石のようなものがあります。体を動かすと、この耳石が前後左右に動き、その情報が脳へ伝わります。頭をある特定の位置に動かしたとき(寝るとき、起きるとき、振り向いたとき、寝返りをうったとき、上を向いた時など)に、この耳石がはがれ落ち、三半規管(さんはんきかん)の神経を刺激します。そのため激しい回転性めまいが起こります。頭の位置を戻すと軽快しますが、続けて同じ頭位をとっても2回目は回らないことが多いようです。

・前庭神経炎
内耳は、音の振動を神経の信号に変換する蝸牛(かぎゅう)と、直進運動を感じる前庭、回転運動を感じる三半規管から出来ています。蝸牛からは蝸牛神経が、前庭と三半規管からは前庭神経が出て、脳に情報を伝えています。前庭神経炎では、前庭神経のみが障害を受け、激しい回転性めまいが起こります。
突発的な激しい回転性のめまい発作や嘔吐が数時間、持続的なめまいが3日程度、軽い浮動感・頭重感・回転感は数か月続きます。めまい発作の7~10日前に、急性上気道炎などの感冒症状が見られる場合が多いです。

3-4 めまいの治療薬

・発作時:7%重曹水+ステロイドの注射(点滴)、制吐剤+鎮静剤(屯用)
・通常時:利尿剤、抗めまい薬、ビタミンB12、ATP、血管拡張剤、精神安定剤、自律神経調節剤、抗ヒスタミン薬、ステロイド、漢方薬など

心理社会的因子が原因と考える場合には個人カウンセリング、集団療法、リラクゼーションなどの心理療法が有効な場合が多いです。また、漢方療法、アロマテラピーなども有効です。

 

4 更年期のめまいを根本的に解決しよう!代表的なのはホルモン補充療法と漢方薬!

更年期のめまいのセルフケアや対処法についてご紹介してきましたが、できることなら、めまい自体が起こらないようにしたいですよね。そうするためには、根本的な治療が必要です。薬物治療は医学的に効果が証明されている治療法になりますので、セルフケアよりもずっと効果を期待することができます。更年期のめまいに効果的な治療法にはホルモン補充療法(HRT)と、漢方薬を使った体質改善があります。

4-1 ホルモン補充療法で解決する

更年期のめまいの原因はエストロゲンの減少です。 なので、エストロゲンを補充するホルモン補充療法は、更年期のめまいには特に効果的です。

4-1-1 ホルモン補充療法(HRT)とは?

ホルモン補充療法 (Hormone Replacement Therapy:HRT)は、加齢による急激なエストロゲンの減少に対して、必要最小限のホルモンを補充することで、ホルモンバランスの乱れを和らげ、閉経した後のホルモン状態にスムーズに体をあわせていく治療方法です。

ホットフラッシュの原因はエストロゲンの減少です。
なので、エストロゲンを補充するホルモン補充療法は、ホットフラッシュには特に効果的です。使い始めて数日で効果を実感する人もいるほどの即効性も期待できます。

4-1-2 ホルモン補充療法のリスクと副作用

ホルモン補充療法の副作用として、不正出血、乳房がはる・痛む、下腹部のはり、吐き気、おりものなどがあります。使い始めに多く見られますが、これらのマイナートラブルは、薬の量や飲み方を調整することで改善することができます。
また、血栓症や乳がんのリスクが知られています。乳がん、子宮がん、血栓症などになったことがある方は、原則として、ホルモン補充療法を受けることができません。
なお、子宮筋腫、高血圧、肝機能障害がある場合には、投与量などを考慮して慎重に行われます。

4-1-3 ホットフラッシュのホルモン補充療法に使われるホルモン製剤の特徴

ホルモン補充療法では、飲み薬、貼り薬、塗り薬が保険診療にて処方されています。ホルモン製剤には以下の3種類があります。

①エストロゲン製剤
②エストロゲンと黄体ホルモン配合剤
③黄体ホルモン(プロゲステロン)製剤

エストロゲン製剤は減少したエストロゲンを補充するために使います。
エストロゲン製剤だけを使うと子宮体ガンのリスクが高まるため、子宮増殖抑制作用をもつ黄体ホルモン製剤を副作用を減らすために併用します。この2種類の女性ホルモン剤を使うのが基本的なホルモン補充療法です。
(黄体ホルモン剤はプロゲステロンを補充による無月経や月経周期を改善や不妊治療に使われていますが、ホットフラッシュなどの更年期障害のホルモン補充療法では黄体ホルモン製剤だけを使うことはありません。)

エストロゲンと黄体ホルモン配合剤はエストロゲンも黄体ホルモンも両方含む、ホルモン補充療法用として作られた配合剤です。これまでのように黄体ホルモン剤を追加で併用しなくてよいメリットがあります。

4-1-4ホルモン補充療法の投与方法で詳しく説明しますが、閉経前後か時間が経過しているか、子宮があるかないか、合併症があるかなど、その人の状態や症状にあわせて使い分けていきます。

それぞれのホルモン製剤について詳しく解説します。

1 エストロゲン製剤
エストロゲンだけで出来ている薬

■飲み薬
飲み薬は飲みやすく、保存や携帯に便利というメリットがありますが、成分が肝臓で代謝されるため、中性脂肪の増加や血栓症のリスクを高めるデメリットもあります。

薬の名前1日量特徴
プレマリン錠1錠(通常量)値段が安い使用経験が豊富で効果も副作用もよく知られているので使いやすい血栓症や脳梗塞リスクの報告もある
ジュリナ錠1錠(低用量)
2錠(通常量)
中性脂肪を上げにくい
少量から服用開始できるため副作用を軽減できる
エストリール錠ホーリン錠1~2錠(通常量)作用がおだやか
子宮内膜への影響が少ないため副作用のリスクが少ない

貼り薬や塗り薬は、成分が皮膚から直接血液に吸収されます。そのため、胃腸や肝臓への負担が少ないというメリットがあります。特に、胃が弱い人、中性脂肪やコレステロール値が高い人、肝障害の人に適しています。
ただし、貼り薬や塗り薬は、肌がかぶれる、汗ではがれやすいというデメリットもあります。
ジュリナ錠とエストラーナテープ、ディビゲル、ル・エストロジェルは同じ成分です。

■貼り薬

薬の名前使い方特徴
エストラーナテープ1枚/回を下腹部かおしりに貼る
2日ごとに場所を変えて貼りかえる
かぶれに注意

■塗り薬

薬の名前使い方特徴
ディビゲル1包/日
左右いずれかの太もも・下腹部に塗る
使い切りタイプ
携帯に便利
かぶれにくい
ル・エストロジェル1プッシュ/回(低用量)
2プッシュ/回(通常量)
1日1回両腕の手首から肩に塗る
皮膚刺激が少なく使用感がよいかぶれにくい
低用量と通常量があるので、症状にあわせて塗る量(投与量)を調節可能

 

2 エストロゲン・黄体ホルモン配合剤
エストロゲンと黄体ホルモンの両方が含まれている薬

■貼り薬

薬の名前使い方特徴
メノエイドコンビパッチ1枚/回を週2回、下腹部に貼る(通常量)1剤のみで済み、黄体ホルモン剤と併用しなくてよいかぶれに注意

 

3 黄体ホルモン製剤
黄体ホルモンだけの薬

■飲み薬

 

薬の名前

1日量

特徴

デュファストン錠

1錠ー2錠

天然の黄体ホルモンに最も近いので副作用リスクが少ない
乳がん発生リスクが低い

プロベラ錠

1錠ー4錠

中性脂肪を上げにくい

ヒスロン錠

1錠ー2錠

4-1-4 ホルモン補充療法の投与方法

ホルモン補充療法は、子宮があるかないか、閉経前後か時間が経過しているか、合併症があるかなど、その人の状態によってホルモン剤の使い方が違います。
リスクベネフィットを評価して、ひとりひとりに合わせたホルモン補充療法を最小有効量で安全に行うことが大切です。

 

1 子宮がある人が対象(エストロゲン製剤・黄体ホルモン製剤の併用療法)

エストロゲンだけの補充では子宮体ガンのリスクが高まるため、子宮がある人が対象の場合は、子宮内膜増殖抑制作用をもつ黄体ホルモンを併用します。

■閉経前後(閉経前もしくは閉経して約5年以内)の女性
月経周期と同じ状態をつくり出すために、エストロゲン製剤に一定の期間だけ黄体ホルモン製剤を併用します。そのため、黄体ホルモン製剤を飲み終わるころに月経のような出血がみられます。

・飲み薬(プレマリン錠、ジュリナ錠など:エストロゲン製剤)
毎日飲み続け、1か月のうち10日間ほど黄体ホルモン製剤を併用します。
(その後、医師の判断により休薬期間があることもあります。)

・貼り薬(エストラーナテープ:エストロゲン製剤)
1か月のうち16ー18日間エストラーナテープを1回1枚、週2回貼ります。その後10-12日間メノエイドコンビパッチ(エストロゲン・黄体ホルモン合剤)を1回1枚、週2回貼ります。

・塗り薬(ディビゲル、ル・エストロジェル:エストロゲン製剤)
ディビゲルかル・エストロジェルを毎日塗り、1か月のうち10日間ほど黄体ホルモン製剤の飲み薬を併用します。

■閉経後、数年(約5年以上)たった女性
飲みはじめの半年ほどは、不定期に出血することもありますが、飲み続けているとなくなります。

・飲み薬(プレマリン錠、ジュリナ錠など:エストロゲン製剤)
黄体ホルモン製剤と併用して連続して飲みます。

・貼り薬(メノエイドコンビパッチ:エストロゲン製剤・黄体ホルモン製剤)
メノエイドコンビパッチを1回1枚、週2回貼ります。

・塗り薬(ディビゲル、ル・エストロジェル:エストロゲン製剤)
ディビゲルかル・エストロジェルを毎日塗り、黄体ホルモン製剤の飲み薬も併用します。

 

2 手術で子宮を摘出した人や2ー3ヶ月の短期間のHRT(エストロゲン製剤 単独療法)

飲み薬(プレマリン錠、ジュリナ錠、エストリール錠など)、貼り薬(エストラーナテープ)、塗り薬(ディビゲル、ル・エストロジェル)のいずれかのエストロゲン製剤を毎日続けます。
医師の判断により休薬期間があることもあります。

*ホルモン補充療法のはじめの3ヶ月間は黄体ホルモンの併用をしなくても子宮内膜に影響しないことがわかっています。

 

4-1-5 ホルモン補充療法の処方までの流れと終了時期

診療の流れとしては、問診、血液検査(貧血や肝機能、ホルモンやコレステロール値)、必要な場合は甲状腺や子宮がん検査、内診、マンモグラフイーなどを行って診断を決定し、ホルモン補充療法が可能(適応)かを確認したうえで治療開始となります。

ホルモン補充療法には、健康保険が適応されます。
診療費や薬代こみで2000円から5000円程度が目安です(ホルモン補充療法に使うホルモン剤の薬代は1000円から2000円前後/28日分)。
ただし、病院によっては、診断時に相談料やカウンセリング料などを別に設けていたり、自由診療(保険適応でない自費)の場合もあるので事前に確認しておくと安心です。

また、ホルモン補充療法を行っている間も、症状の変化やマイナートラブルの有無などの確認および定期的な検査を行います。
子宮がん検診や乳がん検診は年に1回、血圧や血液検査は半年に1回おこない、ホルモン補充療法の継続を検討します。

ホットフラッシュの改善が目的の場合は、症状がよくなればいつでもやめることができます。乳がんリスクを減らすために5年以内にすることが多いですが、ひとりひとりの症状や生活環境、健康状態にあわせて判断します。
急に中止すると症状がぶり返すことがあるので、ホルモン補充療法を終了する場合は、少しずつホルモン製剤の量を減らしていく方法が一般的です。自己判断で中止せずに必ず医師に相談するようにしましょう。

 

4-2 漢方薬で解決する

「西洋薬は副作用が心配」「一度飲み始めたらやめられないのではないかと不安」
そんな方には漢方薬がおすすめです。

一般的に西洋薬よりも副作用が少ないとされておりますし、対症療法ではなく、体質の改善に働きかけることで根本的な解決を目指すものですので、同じ症状を繰り返したくない方に最適です。
また、健康的な食事やセルフケアを毎日続けるのは苦手という方も、医薬品として効果が認められた漢方薬なら、症状や体質に合ったものを毎日飲むだけなので、手間なく気軽に継続できます。
漢方薬はさまざまな生薬の組み合わせで作られています。全体的な心とからだのバランスの乱れを回復させるので、ひとつの漢方薬で複数の不調を同時に改善することができます。めまいに加えていろいろな症状があられる更年期障害の改善は漢方薬の得意とするところです。


また、西洋薬に比べ副作用が比較的少ないのでからだにやさしく、使いやすいというメリットがあります。
漢方薬は、女性ホルモンの少ない状態に体が慣れるまで、精神状態とからだの症状の両面からサポートしていきます。
更年期のめまいには、「婦人科三大処方」とも呼ばれる当帰芍薬散、加味逍遙散、桂枝茯苓丸を中心に、さまざまな漢方薬が用いられます。ひとりひとりの体質や体力、症状にあわせて、1~6などの漢方薬から選びます。

1.冷え、貧血気味、むくみ、疲れやすさも感じる方:当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
血を補い、血とや水の巡りをよくして体を温めるはたらきがあります。めまいや立ちくらみ、頭重、肩こり、足腰の冷え、むくみなどの改善に使われます。

2.肩こりや頭痛、生理痛もつらい方:桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
滞った血と水の巡りをよくして熱バランスを改善するはたらきがあります。めまい、頭痛、肩こりなどを改善します。

3.ホットフラッシュやイライラもつらい方:加味逍遙散(かみしょうようさん)
気や血の巡りをよくし、精神の興奮やのぼせなど上半身の熱を冷ますはたらきがあります。

4.不安や不眠、頭痛や動悸もある方:女神散(にょしんさん)
気血水の巡りをよくしてバランスを整え、のぼせやめまいをやわらげます。

5.顔色が赤くのぼせやすく、イライラして落ち着かない方:黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
体にこもった熱を冷ますはたらきがあります。めまいのほかに、のぼせ、イライラの改善にも効果が期待できます。

6.のぼせやふらつき、めまいがある方:連珠飲(れんじゅいん)
血の巡りを良くして体を温める「四物湯(しもつとう)」と水分代謝を改善して自律神経のはたらきを整える「苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)」を組み合わせたものです。更年期障害におけるほてりやのぼせ、冷え症、疲労倦怠感などにも効果が期待できます。

これらの漢方薬と4-1で紹介したホルモン補充療法をあわせて併用することもあります。

 

5 漢方薬が著しく有効であった症例を2つ紹介!

著効例1:めまいだけでなくイライラも・・・やめて気づいた漢方薬の効果!

「高校生の頃からイライラや気分の浮き沈みはあるほうでしたが、それほど気になりませんでした。ですが、40歳を過ぎた頃から疲れやすくなり、他人のことが気になり、気分が沈んで焦ったり、ちょっとしたことで落ち込んだりするようになり、感情の起伏が激しくなりました。さらに、仕事中に突然めまいを感じることが増えました。椅子から立ち上がった時に立ちくらみのようなめまいを感じたり、立っていられないようなめまいのこともありました。めまいの他にも、冷えたり火照ったりを1日の中でも繰り返したり、頭痛、不眠などのいろいろな不調が急にも多くみられるようになりました。」

47歳女性。少し細めの体型。
イライラしやすく神経質な性格。

気や血の滞りの体質改善を目的として、漢方の加味逍遙散をのみ始めました。飲み始めて2週間くらいでめまいの頻度が減り、手足の冷え、火照りなども改善されてきました。体調がよいので漢方をそのまま飲み続けて1年くらい経過した頃、もう大丈夫かなと思い自己判断で薬をやめました。すると、やめて1ヵ月くらいした頃に夫に「最近また怒りっぽいけど、漢方はのんでいるのか」と聞かれてしまいました。実は自分でもめまいがまた現れていることと感情のアップダウンを自覚していたため加味逍遙散の服薬を再開しました。薬をやめると、めまいが出るようになり、怒りっぽくなり感情の起伏も大きくなるので、まだ私には漢方が必要なんだなと実感しました。漢方薬は緩やかに体質改善していくと思っていましたが、飲むのをやめてはじめてこんなに漢方が効いていたんだ!と思いました。今でも服用は続けていて調子もよいです。

 

著効例2:50歳女性、いくつかの治療の末に漢方でめまい改善!

「半年くらい前から頭がすっきりしない感じ、めまい、ふらつきが出てきました。ぐるぐると回るようなめまいで、一度はじまると気持ち悪くなってしまい、家事の手をとめて休まないと治りません。耳鼻咽喉科などいくつかのクリニックを受診しましたが改善しませんでした。49歳で閉経したのですが、めまいがひどくなる前に、イライラやほてり、下痢や便秘を繰り返すなど気にある症状があったので、婦人科でホルモン補充療法を受けたことがありました。あまり症状がよくならないので1年ほどで受診をしなくなった経験もあります。年齢も年齢ですし、仕方ないと思っていましたが、放っておくとひどくなってきたため漢方治療を始めました。子どものPTA役員も引き受けたのに、体調が悪くて憂鬱です。」

50代女性。普通体型。
他に気になる不調は、イライラ、ほてり、便秘や下痢を繰り返す。

「気や血の滞りの体質改善を目的として、漢方の加味逍遙散をのみ始めました。イライラは改善したものの、めまいへの効果はいまひとつ実感できませんでした。
そこで、気血水のバランスをととのえる漢方の女神散にかえてみることにしました。服薬を開始して2週間程度で、めまいやほてりがかなり減ったと感じました。これまで、西洋薬でめまいに対する多くの薬を服用してきましたが改善がみられなかったのに、女神散で初めて改善したので大変うれしかったです。おなかの調子もよくなり、引き続き数か月は毎日服薬を続けていました。

今は1か月分の薬を数か月かけてのむくらいに服薬頻度が減りましたが、調子がよい状態をキープしています。1週間に1回くらいめまいを感じることはあるものの、日常生活には影響なく、気分的にも明るく社交的になりました。子どもの学校の役員も引き受けて頑張っているところです。」

漢方薬を選ぶ際には自分の体質に合ったものを選ぶ事が大切です。体質に合っていない場合は、効果が出ないことや、副作用が出ることもあります。購入時にはできる限り漢方に精通した医師、薬剤師等にご相談ください。

自分に合った漢方薬が知りたいけど、近くに漢方専門薬局がない…という方には、インターネット上で漢方の専門家に相談できるAI漢方もおすすめです。
●あんしん漢方:https://www.kamposupport.com/

まずは受診から。自分に合った治療でめまいのない毎日を!

この記事では主に更年期のめまいと対処法について紹介しました。
・更年期障害の症状としてめまいがでることもある。
・めまい予防にはストレスをためないことが大切。
・激しいめまい、重症の時はすぐに病院へ。
・更年期のめまいの根本治療はホルモン補充療法だけでなく漢方薬も有効!

更年期のめまいの治療にはいくつも選択肢があり、自分に合った方法を選ぶことができます。漢方薬も有効ですので、気軽に漢方薬局や漢方医に相談してください。

関連記事

おすすめ記事