モヤシを食べて得られる効果、効能

マ行の食材

モヤシ▼整腸、滋養、美肌

昭和末期の川柳に「大根がモヤシを連れて盆踊り」という川柳がありまし。年頃になった娘が男を連れて里帰りしたのでしょう。モヤシといえば、ひょろりと痩せてひ弱な体形を描くに違いありません。軽薄なイメージもあります。だが実際のモヤシは、とてつもない健康食材なのです。外見だけの若者にたとえられては迷惑でしょう。

モヤシとは

モヤシは豆や穀類の種子を水に浸して発芽させたものです。ブラックマッペ、大豆モヤシ、緑豆モヤシ、アルファルファなどが一般的です。ほかにもソバ、シソ、ヒマワリ、カラシナなどの種子からつくるモヤシがあります。400年ほどの昔、東北や九州の農村で作られていましたが、大正時代になって都市部にも広がり、食材に普及したといいます。

モヤシの効果、効能

色が白く、低カロリーであることから、モヤシの栄養価は劣るようにみえますが、多量の蛋白質を含んでいるし、ビタミンB1、B2、カルシウム、鉄分などのミネラルも豊富です。しかも発芽してモヤシの形になると、豆にはなかったビタミンCやアミラーゼなどの栄養素が加わります。それに農薬をいっさい使わず、水だけで育つ完全な無公害野菜であることにも注目したいです。

発芽によって生まれたアミラーゼやインベルターゼなどの消化酵素は、胃腸機能を整えて食欲を促す働きがあります。さらにビタミンCは抗酸化力を高めて免疫力を強めてくれるし、脂肪代謝にかかわるB2も含んでいるから、ダイエットにも有効です。豆は消化の悪さが難点ですが、モヤシになると胃腸にやさしくなり、芽の部分には食物繊維も含むので腸の働きも助けてくれるといった具合です。

民間療法

このようにビタミンやミネラルと消化酵素をバランスよく含んでいるモヤシは、いつでも安く入手できる優れものです。漢方では五臓の機能を補う目的で大豆モヤシを乾燥させたものを生薬として利用しています。民間療法でもモヤシと大豆をいっしょに煎じて飲むと、疲労回復に効果があるという話を聞きます。

野菜炒めをはじめ、味に癖のないモヤシは和洋中華どんな料理にも合います。ただし、酸化して黒くなるのを防ぐため水に浸けて売っているのは栄養分に欠けるから、袋に密封してあるものを選び、手早く使いきるようにしたいです。茹でるとき湯にひとつまみの塩を入れると浸透圧が変わってアミノ酸が溶け出すのを防ぐことができます。特有の歯ざわりを保つには加熱しすぎないのがポイントです。

ところで、「もやしではないと帰省のカ瘤」という句もあります。これもモヤシを誤解したままの句なのに、冒頭の句にくらべて救われた思いはしないでしょうか。日本の明日を拓く若者がすべてモヤシとは限らないのです。しかしモヤシの中身はすばらしいのですが、若者の方はどうなのでしょう。

 

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