大根(ダイコン)の食材としての効果、効能

タ行の食材

▼健胃、消炎、補温

しばらく外国に滞在していると、無性に食べたくなるのが漬物だと聞きます。わたしの世代では、さもありなんという気がします。漬物の代表は沢庵です。脂っこい食事をして家に帰ったときなど、熱いお茶で沢庵をかじるとホッとします。日本人なのだな、と思います。おでん、ふろふき、なます、和え物と、大根は味が淡泊だから、どんな食材とも相性がいいです。

大根(ダイコン)とは

大根(ダイコン)はパレスチナ地方の原産でアブラナ科の一年生草本です。日本には奈良時代に中国から伝わり、室町時代には一般にも普及していたといいます。「春の七草」のスズシロは大根のことです。清白の意味で女性の肌の美しさを表しています。「畑大根みな肩出して月浴びぬ」は収穫前の大根畑です。凍てつく月夜に大根の白い肩が生々しいです。

大根(ダイコン)の効果、効能

大根は昔から「天然の消化剤」といわれました。白い根の部分には炭水化物の消化を助けるジアスターゼ、澱粉を分解するアミラーゼ、蛋白分解酵素のステアーゼをはじめ、いろんな酵素類やビタミンCを多量に含んでいます。辛味成分は配糖体のシニグリンが分解されてイソ硫化シアンアリルが生成されたためで、胃液の分泌を促し、消化をよくしたり整腸の働きを示します。胃腸にとっては、まことに都合のいい食材なのです。

焼き魚に大根おろしを添えるのも理にかなったことです。焦げた魚の発ガン物質ベンツピレンを、大根に含まれるオキシダーゼが分解してくれるから、胃ガンの予防に役立ちます。さらに食物繊維のリグニンがガン細胞の発生を抑制することもわかっています。できれば葉の部分も食べればビタミン、カルシウム、鉄、マグネシウムも摂取できて、風邪や気管支炎にもすばらしい効果があるでしょう。

摂取方法

漢方では大根の種子を使います。秋から冬にかけて種子を採取し、日干しにした生薬を「莱菔子」といい、胆汁の分泌を促したり痰切りなどに用いてきました。民間療法でよく使われるのは大根おろしです。朝夕2回、20~40㏄を食後すぐ飲むと消化によいです。食欲がないときは食前に飲みます。おろし汁に生姜を少し加え、お湯を注いで飲むと風邪に効きます。

歯茎の腫れには直接しぼり汁を塗ると炎症が軽くなります。打ち身や捻挫には大根おろしで冷湿布し、腫れが引いたら生姜のおろし汁も加えて温湿布に切り替えるとよいです。また大根の干し葉を刻み布袋に詰めて入浴すると、補温性の浴剤となって冷え症、神経痛、婦人病などにも効果があるでしょう。

大根は四季を通じて食卓に上るようになりました。だが旬は晩秋から初春まで。淡味で甘味があり、多様な料理に使えます。「風呂吹や妻の髪にもしろきもの」熱く煮た厚めの大根に摺り胡麻や橙のしぼり汁をかけて食べるのが風呂吹です。これは寒い夜には特別に旨いご馳走であり、庶民の味です。

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