シソが持つ食材としての効果、効能

サ行の食材

▼鎮静、利尿、発汗

エアコンも冷蔵庫もなかった子どものころ、夏の食卓にはよくシソが出ていました。お袋が庭に出てはシソの葉を4、5枚ちぎってきて皿に敷いたり、刻んで冷や奴に入れたり、とにかく小まめに使うのです。「紫蘇濃ゆき一途に母を恋ふ日かな」この俳人もまた、そんな思い出があるのだでしょう。お袋たちの世代はシソの防腐作用などを知っていて、日常生活に活かしていたのです。

シソとは

シソは中国の原産といわれるシソ科の一年草です。奈良時代にはすでに薬用や香味料として使われていたらしいです。自生もしますが手軽に栽培もできます。葉が緑色をしたアオジソが一般的で、別名を大葉ともいいます。紫色をした葉のアカジソもあります。シソはビタミンB群、Cと鉄、燐などのミネラルが豊富です。とくにカロテンとカルシウムは特出しています。

シソの効果、効能

特有の香りの成分はペリルアルデヒドで、これには防腐作用があり、魚介の中毒に対しては解毒に働きます。刺身に添えられるのは飾りだけでもないわけです。全草に精油があり、リモネン、ビネンなども含んでいます。だから発汗、利尿、鎮咳作用のほか、神経を安らかにするためにも利用されてきました。

漢方では、ノイローゼや自律神経失調症に使う半夏厚朴湯や神経症に用いる香蘇散などに「蘇葉」というアカジソの葉を乾燥させた生薬を配合しています。また気管支炎や喘息に使う蘇子降気湯にはアカジソの種子を配合し、広く臨床に応用してきました。神経症などは検査をしても異常所見がない場合が多く、患者を悩ますものです。そんな症状にシソが役に立つのは嬉しいです。

シソの効用は古くから知られていました。『本草綱目』では「温にして毒なし。肌を解し表を発し、風寒を散じて気をめぐらし、肺を利して血を和し、痛を止め喘を定め」と述べ、『大和本草』にも「魚毒を去り香気あり」と記してありあす。史実では加藤清正が朝鮮出兵で篭城したとき、鬱病になる兵士に紫蘇を煎じて飲ませたのは有名な話です。

民間療法

民間療法でもシソは盛んに使われました。風邪や食欲不振には紫蘇酒がいいです。焼酎1.8リットルにアオジソ150グラム、レモン1個、蜂蜜200㏄を入れて密封し、2ヵ月経ったら中身を引き上げ、さらに1ヵ月も熟成させると出来上がり。水かお湯割りで飲むとよいです。扁桃炎のときはシソの葉を濃く煎じてうがいをすると効きます。またシソの茎葉を布袋に詰めて浴槽に入れると、冷え症や神経痛の浴剤になるでしょう。

シソは防腐力だけでなく、心を潤すアロマテラピー効果もあります。精神安定の作用です。すばらしい緑黄色野菜としてシソを見直す必要があると思います。サラダに入れたり、千切りにして大根と和えたり、大いに利用したいです。「紫蘇の香や朝の泪のあともなく」とくに夏は食中毒を防ぐためにもぜひ。

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