からし菜の持つ効果、効能とは

カ行の食材

▼鎮痛、消炎、浄血

「芥菜を好める齢子に弱し」その漬物はピリッと辛味があって旨いです。東北地方から北海道にかけて盛んに栽培されます。その名のとおり芥子の原料になる野菜です。からし菜の種子は和ガラシやマスタードに変身したり、薬用にも利用され、葉は栄養豊かな野菜です。まことに重宝な食材です。

からし菜とは

からし菜は中央アジアが原産でアブラナ科の越年草です。タカナに似ていますが、葉が羽状に深く裂ける点と、茎や葉にわずかな毛があってざらつく点が違います。草丈は1.5メートル程度。寒冷地好みのからし菜に対してタカナは関東より西の地方が多いです。葉にも種子にも辛味があるから辛し菜の名がつきました。

辛味の素になっている成分はシニグリンという物質ですが、これ自体に辛味はなく、ミロシナーゼという酵素によって加水分解の結果生ずる物質が辛味を出します。ほかにはカロテンとビタミンCが豊富。カルシウムやカリウムなどのミネラルにも恵まれています。カロテンが不足すると、暗いところでの目の順応性が失われやすい。極端に欠乏した症状が夜盲症で、江戸時代には「鳥目」といわれました。

からし菜の効果、効能

種子からは「芥子」をとります。芥子の成分も精油配糖体のシニグリン、酵素のミロシナーゼ、それに脂肪油などです。漢方では芥子の効能を「腫れを除き、寒湿による疼痛に効く」といいます。よく用いるのは芥子湿布です。芥子を粉末にしてぬるま湯で泥状にし、厚手の布に塗って痛むところに貼ります。

芥子湿布は局部の充血を促して新陳代謝を盛んにし、体の深部にある炎症や痛みを鎮めるための刺激療法です。5~10分も経つと貼ったところに痛みを感じるからはがしてやります。皮膚の弱い人は芥子を貼るとき下にガーゼを敷くとよいです。この芥子湿布は神経痛、リウマチ、気管支炎、そして肺炎の初期にも応用されてきました。

肺炎のときは胸部に貼ります。外用だから刺激の度合いは自由に調節できるわけで、かぶれにさえ注意すれば副作用の心配もないです。中国では顔面神経麻痺にも応用していると聞きましたが、目などの粘膜を傷める懸念があるので素人療法は止めることです。ちなみに民間療法でも、漢方の手法が伝承されたいろんな利用法がみられます。

加工食品として

薬用だけでなく、加工食品としてもからし菜の存在は大きいです。日本のからし菜の種子を粉末にしたのが和ガラシ、シロからし菜からはアメリカのマスタードを、クロからし菜の種子からはヨーロッパのマスタードをつくります。食の洋風化につれて香辛料の需要も著るしく伸びてきました。食材の味を引き出し、食欲を刺激する作用が香辛料のメリットでしょう。からし菜の旬は冬から初春にかけてです。

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