アケビを食して得られる効果、効能について

ア行の食材

▼利尿、消炎、通経

以前はちょっと山道を歩いても、木の枝からぶら下がっているアケビに出会うことができたものです。「母追うて走る子供の手に通草」(鶏二)という風景など、珍しくはありませんでした。春にはアケビの若芽のゴマ和え、そして秋には皮をむいて油炒めにします。ほろ苦さに混じって、ふくいくとした風味が忘れられません。

アケビとは

アケビは蔓性の落葉木でアケビ科の植物で、全国の山野に自生します。蔓は左巻きにからまり、10メートル以上も伸びて樹木に巻きつきます。葉は楕円形の五葉からなる掌状複葉です。長柄があって互生します。4月ごろに新芽を出し、ほぼ同じ時期に暗紫色の小さな花を房状に開きます。

秋になると、8センチほどの楕円形の果実が紫色に熟し、やがて縦に裂けて白い果肉と黒い小粒の種が見えます。「引きたると異なる蔓に通草笑む」(元)はアケビ採りの光景でしょう。アケビの語源は「開け実」だとか。果肉を啜るとかすかに甘いです。残った皮も外皮をむいて油炒めなどに使われます。

アケビの効果、効能について

アケビの太い蔓は薬用に供されてきました。落葉したあと直径1~2センチほどの茎を採取し、2~3センチの厚さに輪切りにしてから日干しにした生薬を、漢方では「木通」と呼んでいます。

『神農本草経』には通草の名で載せてあり、また『本草綱目』には「全身の拘痛を治す」とあって、通草と木通は同じものと述べています。

木通の成分は配糖体のアケビン、サポニン、多量のカリ塩などで、尿の出をよくし、浮腫を取り、血行改善、排膿、通経などの目的に使われました。木通を配合した処方には、竜胆瀉肝湯、当帰四逆湯、八昧帯下方などがあり、証に応じて冷え症、腰痛、生理不順、膀胱炎などに使います。

民間療法

民間療法でも古くからアケビを利用してきました。アケビを食べると体のむくみをとるという云い伝えは、かなり広い地域にみられます。現に、脚気などにも尿を増やすために与え、妊婦のむくみとりにも汎用されてきました。浮腫をとるには木通10~20グラムを1日量として500㏄の水で半量になるまで煎じ、食間3回に分けて飲むとよいです。この煎じ薬は膀胱炎や月経不順にも有効と云われます。

そして興味深いのは、「アケビの夢を見ると妊娠する」という俗説が流布していることです。思うに、アケビの実が口を開けると女陰を連想させるからではないでしょうか。これに類した話はアケビ以外にもたくさんあって、民間療法を探訪する楽しみの1つでもあります。

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