トウモロコシが持つ効果、効能など

タ行の食材

▼整腸、利尿、美肌

秋祭りが近づくにつれて、トウキビが旨くなります。田舎では鎮守の森から流れてくる笛や太鼓の風といっしょに、トウキビの香ばしい匂いも漂ってきたものです。「玉蜀黍に風あり祭りの太鼓鳴る」(水咲)というわけで、子ども心が躍った遠い日を思い出します。トウモロコシをトウキビとも呼びます。

トウモロコシとは

トウモロコシはイネ科の一年草作物です。アメリカが原産といわれ、日本へは室町時代の後期に伝えられたといいます。夏の終わりごろに背丈が2メートル近くにもなり、茎の先にススキの穂に似た雄花をつけます。雌花は葉の脇に生じたもので、これがトウモロコシの毛と呼ばれるものです。

トウモロコシの効果、効能

トウモロコシは食べる種実の部分から毛、茎、葉、根に至るまで、すべて薬効が認められています。とくに効能があるのは漢方で「南蛮毛」と呼ばれる毛です。これには利尿作用のある無機質の硝酸カリウムなどが含まれており、高血圧、尿路結石、肝炎などに利用されます。中国の研究では降血糖作用や催乳効果も報告されているようです。

食用になるのは果実です。八月下旬からよく苞の膨らんだものを採り、皮をむくと豆状の実が行儀よく一列に並んでいます。淡黄色の果実には蛋白質、脂質、糖質をバランスよく含み、ビタミンB1、B2、Eなども多いです。食物繊維も豊かなので便秘の予防や美肌にもよく、女性向きの食べ物に適しています。

しかし、トウキビはもぎたてを食べたいものです。すぐ焼くか茹でるかしないと、短時間に粒の糖分が澱粉に変わって甘味がなくなり、硬くなってしまいます。わたしが子どものころは畑にコンロがあって、焼きたてのトウキビを横かじりしていました。まさに「唐黍を噛む白日に歯音立て」(林火)の趣です。

民間療法

民間療法でよく用いるのはトウモロコシの毛です。尿の出が悪いときやむくみがある人などは、トウモロコシの毛15グラムを500㏄の水で煎じてこし、空腹時に3回に分けて飲みます。果実をとったあとの芯二本を刻んで、毛と同じように煎じて飲んでも利尿効果は期待できるでしょう。

トウモロコシ殿粉とトウモロコシ油は『日本薬局方』に収載されており、医薬品の原料でもあります。澱粉は品質がよく、錠剤などをつくるときの増量剤に使います。油はリノール酸が多いコーン油で、完熟粒の胚芽から搾ったものです。軟膏の基剤や注射薬の溶剤に用いますが、もちろん食用としても貴重です。

主な使われ方

近ごろではスイートーコーンといって、甘味の強い品種に人気があるといいます。冷凍加工の技術が進歩して、縁日などではいつでも香ばしい焼きトウキビが売られています。それにコーンスープはポタージュの代名詞のようなものです。ポップコーンやコーンフレークもトウモロコシの加工食品です。

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