熱、喉、鼻などの風邪症状の対処法と効果的な漢方

お悩み

さまざまなウイルスによって引き起こされる風邪症候群。
発熱や倦怠感、咳や鼻水などを伴うため生活に支障が出ることがあります。
効果的な対処法を知っておくと安心です。

風邪の発熱と効果的な漢方

風邪による発熱は、ウィルスが体内に侵入した際に免疫を活性化させるため、脳の体温調節中枢が働いて体温を高い温度に設定しようとすることから起こります。

東洋医学では、風邪は「風邪(ふうじゃ)」という身体全体を走り回る性質をもつ邪気によって引き起こされると考えます。
なかでも発熱やほてりは「風邪」に強い炎症である「熱邪(ねつじゃ)」が合わさって起きるとされます。

風邪の発熱への対処法

風邪による発熱を起こしてしまったら、段階ごとの適切な対処が必要です。

発熱のピークにあたる「上昇気・ピーク期」は、発熱することでウィルスに抵抗する免疫細胞の働きが活発になります。
免疫細胞が働くと、大量のビタミンCが失われます。果物やビタミン剤などでビタミンCを補給しましょう。

また、この時期は、大量の発汗により体内から多くの水分が失われます。
電解質を適度に含んだスポーツドリンクやミネラルドリンクで、こまめに水分を補給しましょう。

根本的な症状の改善には漢方薬もオススメです。
ゾクゾクする寒気や、筋肉のこわばりをほぐして痛みを和らげる効果のある「麻黄湯(マオウトウ)」や、身体の熱や痛みを発散する効果のある「桂枝湯(ケイシトウ)」などが効果的です。

風邪の寒気と効果的な漢方

風邪の寒気は、ウイルスが体内に侵入した際に免疫を活性化させるため、脳が体温を高く設定しようと働くことから生じます。

東洋医学では、風邪は「風邪(ふうじゃ)」という邪気によって引き起こされると考えます。
なかでも寒気や震えの症状は、「風邪」に「寒邪(かんじゃ)」が合わさって起きると考えます。

風邪の寒気への対処法

風邪による寒気を感じるときは、「生の生姜」が効果的。「ジンゲロール」という辛味成分は、解熱・殺菌効果によって体内の熱を取り除いて身体の表面を温めてくれる効果があります。
生のまますりおろしたり、ガリとして食べると寒気に効果的です。

背中の上部、左右の肩甲骨の間にある「風門(ふうもん)」というツボを刺激するのも効果的です。
「風邪が入ってくるツボ」といわれ、「風門」を温めると「風邪」を遠ざけることができるといわれています。

根本的な症状の改善には漢方も効果的です。
発汗・解熱を促し、首や肩、背中の緊張をほぐす効果のある「葛根湯(カッコントウ)」や、関節の痛みが強い場合には筋肉の痛みを和らげる作用のある「麻黄湯(マオウトウ)」がオススメです。

喉からくる風邪と効果的な漢方

喉からくる風邪は、吸い込んだ外気に含まれるウイルスや細菌が喉の粘膜で防ぎきれず、上気道に侵入してしまうことから起こります。

東洋医学では、寒さが原因の「寒邪(かんじゃ)」、熱が原因の「熱邪(ねつじゃ)」、乾燥が原因の「燥邪(そうじゃ)」によって起こるとされ、邪の侵入を防ぐことが大切とされています。

喉からくる風邪への対処法

喉からくる風邪は「邪」の侵入を防ぐことが重要です。
外出先から帰宅したら、まずはうがいと手洗いを習慣づけましょう。うがいで喉を洗浄、潤すことで粘膜の分泌を促進し、菌の排出を促すことができます。

また喉の粘膜が乾燥すると、バリア機能が低下してウイルスが侵入しやすくなります。
加湿器で部屋の湿度を保つ、マスクを着用するなど、喉を乾燥から守ってウイルスの侵入を防ぎましょう。

漢方薬による根本的な症状の改善もオススメです。
喉粘膜の炎症を抑え、渇きを癒して風邪の「邪」が体内へ侵入するのを防ぐ作用のある「銀翹散(ギンギョウサン)」や、粘膜や気道を潤して、空咳や気管支症状を鎮める作用のある「麦門冬湯(バクモンドウトウ)」などが効果的です。

鼻風邪と効果的な漢方

鼻風邪は、吸い込んだ外気に含まれるウイルスや細菌が鼻の粘膜で防ぎ切れず上気道に侵入することで起こります。

東洋医学では、鼻水や鼻詰まりを「水毒」の1つと考えます。
鼻の粘膜に水分がたまり、膨張して鼻を塞ぐことで起こるとされています。

鼻風邪への対処法

鼻が詰まって苦しいときは、温かい蒸しタオルで鼻を温める温熱療法を試してみましょう。
40℃〜50℃の熱めのお湯にタオルを浸してから軽く絞り、蒸しタオルを作ります。
そのタオルで鼻を覆い、ゆっくりと呼吸します。鼻の粘膜に適度な湿り気を与え、血流が良くなることで鼻も通りやすくなります。

免疫力を高めるハーブティーも風邪症状に効果的です。
たとえば、利尿作用と発汗作用をもち、デトックス効果があるエルダーフラワーや、皮膚を刺激から守るカモミールなどが役立ちます。

根本的な症状の改善には漢方薬がオススメです。
水分代謝を整え、鼻炎症状を抑える「小青竜湯(ショウセイリュウトウ)」や、炎症を鎮めて膿を排出する作用のある「荊芥連翹湯(ケイガイレンギョウトウ)」などが効果的です。

風邪にともなう痰と効果的な漢方

風邪を引いた際に痰が出るのは、ウイルスや細菌によって喉に炎症が起きているためです。
東洋医学では、痰を「痰液(たんえき)」と呼び、痰が身体中にたまるとさまざまな臓器に病的な状態を起こすと考えます。

風邪にともなう痰への対処法

痰が絡まって苦しいときは、温かい飲み物で喉を直接潤し、体外に痰を排出しましょう。
また、温かい飲み物で喉を温めると気管が広がり、呼吸を楽にすることができます。
身体を温める生姜に、炎症を抑える効果のあるハチミツを混ぜたドリンクなどが効果的です。

就寝時の体勢を工夫するのも有効です。
仰向けやうつ伏せは気道を圧迫して咳が出やすいといわれています。
風邪を引いて寝ているときは、気道を確保できる横向きの姿勢で眠りましょう。

根本的な症状の改善には漢方薬が効果的です。
喉や気管の炎症を抑える作用のある「清肺湯(セイハイトウ)」や、冷えた身体を温めて体内の水分代謝を促し、水っぽい痰を排出する作用のある「小青竜湯(ショウセイリュウトウ)」などがオススメです。

インフルエンザと効果的な漢方

インフルエンザは、インフルエンザウイルスによって引き起こされる急性ウイルス性疾患のことをいいます。

東洋医学では、インフルエンザの流行する冬を生命エネルギーである「腎」の衰えやすい「陰(いん)」の季節と考えます。
感染を防ぐためには「腎」を補って体力をつけ、感染経路とされる「肺」を守ることが大切です。

インフルエンザへの対処法

「腎」が衰えた「腎虚」の状態では細胞代謝に関わるミネラル濃度を調整する腎臓への血流量や働きが落ちてスタミナが低下しやすく、インフルエンザに感染しやすいといわれます。

食事に「腎」を補う食材である黒豆やカシューナッツ、生姜や山芋などを積極的に取り入れ、日頃から身体の抵抗力を高めましょう。

インフルエンザにかかってしまったときは、体力を回復させるためしっかり休養をとって安静にすることが大切です。
熱がある場合は、発熱による大量の発汗で脱水症状を起こさないよう、こまめな水分補給を心がけてくださいね。

漢方薬による根本的な症状の改善もオススメです。
インフルエンザや風邪の症状が長引くときの体力回復に効果的な「竹筎温胆湯(チクジョウンタントウ)」や、発汗を促し、関節の痛みなどにも効果的な「麻黄湯(マオウトウ)」などが良いでしょう。

まとめ

風邪によって起こるさまざまな症状の効果的な対処法を紹介しました。
風邪による辛い症状が出たときは、この記事を参考に症状改善に努めましょう。

風邪症状の改善に漢方薬が効果を発揮した例もあります。セルフケアを試しても症状がなかなか改善しないときは、お近くの漢方医や漢方薬局にご相談くださいね。

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