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漢方を活用して睡眠の質を改善! うつ病や閉経と不眠の関係とは?

お悩み

不眠症状は、精神的なストレスや不規則な生活、閉経後の女性においてはホルモンバランスの乱れなどが原因で起こります。

不眠の基礎知識と効果的な漢方

不眠は、精神的なストレスや不規則な生活習慣などの原因が複雑に絡み合って起こることが多いといわれています。
残業や夜勤が常態化し、生体リズムが狂いがちな現代は不眠が起こりやすい社会環境といえるでしょう。

東洋医学では、不眠のうち「心」「肝」「脾」が関係しており「七情(人間の精神や心理活動)」の乱れや過労、病気、私生活の不摂生などによって起こると考えます。

不眠への対処法

休日の寝溜めは返って体内時計のリズムを乱し、寝付きを悪くする結果に繋がります。
体内時計を整えるためにも朝はいつもと同じ時間に起き、昼と夜のメリハリをつけるように心がけましょう。

夕食後のコーヒーやアルコールにも注意が必要です。
カフェインの交感神経覚醒作用は4〜5時間続くといわれているため、コーヒーを飲むのは就寝の4時間以上前までにしましょう。
アルコールにも一時的に眠気を誘う効果はありますが、その作用は2時間ほどしか持続せず、かえって眠りが浅くなり目が覚めやすくなることがあります。飲み過ぎには注意してください。

根本的な体質改善には漢方薬もオススメです。
眠りが浅い方の神経を穏やかに整え、深い眠りに導く作用のある「酸棗仁湯(サンソウニントウ)」や、「血(血液)」と「気(生命エネルギー)」を補って身体を温めてくれる効果のある「帰脾湯(キヒトウ)」などが効果的です。

ストレスによる不眠と効果的な漢方

ストレスが原因の不眠は、悩みや不安、緊張感などから交感神経が優位になり自律神経が乱れることで起こります。

東洋医学では、疲労やストレスにより眠れなくなるのは「気」の巡りの悪化が原因の一つであると考えます。
「気」の滞りで余分な熱が頭にのぼり、体内を巡る「血」の不足や過剰が起こることも不眠を引き起こします。

ストレスによる不眠への対処法

安心して心地よく眠るために、入浴して身体を温めてから眠りに着くまでの時間に、日中の緊張状態を和らげるようにしましょう。

疲れない程度のストレッチ、好きな香りのハーブティーを楽しむなど自分なりのリラックス法を見つけるとよいでしょう。
ブルーライトを発するテレビやスマホは避け、ゆっくりした音楽や読書を楽しむのもオススメです。

何をしても眠れないとき、高ぶった神経を落ち着かせて安眠に導く、かかとのちょうど真ん中にある「失眠穴(しつみんけつ)」というツボを刺激するのも効果的です。

漢方薬による根本的な体質改善もオススメです。
精神的な緊張により眠れない方の「気」の乱れを安定させ、身体にこもった熱を冷ますことで脳の興奮や不安を和らげる「柴胡加竜骨牡蛎湯(サイコカリュウコツボレイトウ」や、「血」を補い「気」を巡らせ、神経を鎮める効果のある「加味帰脾湯(カミキヒトウ)」なども良いでしょう。

うつ症状による不眠と効果的な漢方

睡眠は、体だけでなく心の疲れを回復するためにも重要な役割を果たしています。
睡眠障害により、慢性的な不眠が続くと「うつ病」にもつながります。

東洋医学では、うつ病の原因を「気」の不足による「気虚」によるものととらえ、これにより「血」の不足が起こり「血虚」の状態を招いて不眠につながると考えます。

うつ症状による不眠への対処法

不眠状態が続くと、身体のことを考えて必死で眠ろうと意識してしまいがちです。
しかしそうした意識は逆に大きなストレスとなり、余計に眠れなくなってしまうことがあります。

人によって睡眠時間は異なるものだと考え、あまり睡眠時間にこだわりすぎないようにしましょう。

布団の中に入ってもなかなか眠れないときは、夜にも関わらず交感神経が活発に動いてしまっている可能性があります。
そんなときはおへその真下、指3〜4本分離れた場所にあるツボの「丹田(たんでん)」を押して、気持ちを落ち着けましょう。
「気」を全身に巡らせるような深い呼吸を意識しましょう。

根本的な体質改善には漢方薬が効果的です。
「気」を巡らせて心を落ち着ける作用のある「柴胡加竜骨牡蛎湯(サイコカリュウコツボレイトウ)」や、のぼせやイライラ感で寝付きが悪い方には「三黄瀉心湯(サンオウシャシントウ)」などがオススメです。

閉経にともなう睡眠トラブルと効果的な漢方

閉経に伴うエストロゲンの急激な減少が原因となって、寝付きが悪くなる、睡眠中に何度も目が覚めてしまう、やたらと早く目が覚めてしまう、といった睡眠トラブルを引き起こすことがあります。

ここでは閉経にともなう入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒について、それぞれの原因と対処法、効果的な漢方薬について解説していきます。

閉経にともなう入眠障害への対処法

入眠障害は、床についてから実際に眠るまで2時間以上かかり、寝付きが悪い状態をいいます。
閉経前後の女性に入眠障害が起こりやすいのは、エストロゲンという女性ホルモンの分泌が急激に減少し、睡眠をつかさどるホルモンのセロトニンの活性や増減に影響を与えるためです。

スムーズに眠りにつくためには、「交感神経」優位の状態から、リラックスモードの「副交感神経」優位の状態にうまく切り替えることが重要です。
眠る直前まで携帯電話を見ていると、活動モードの「交感神経」が優位に働き続け、寝付きが悪くなってしまいます。できれば寝る前は携帯電話の電源を切っておきましょう。

さらに体温と睡眠は大きく関係しているといわれます。
眠る前にしっかりと身体を温め、体温の低下が起こる入浴後2時間前までに眠りに入るような生活習慣をつけましょう。

漢方薬による根本的な体質改善もオススメです。
神経が高ぶりやすい方の「血」を補って「気」を巡らせることで自律神経を安定させる作用のある「抑肝散加陳皮半夏(ヨクカンサンカチンピハンゲ)」や、肩こりやのぼせを伴う方は「気」や「血」を巡らせて体内にこもった熱を冷ます作用のある「加味逍遙散(カミショウヨウサン)」も効果的です。

閉経にともなう中途覚醒への対処法

中途覚醒は眠りが浅く、睡眠中に2回以上目が覚めてしまう状態をいいます。
閉経後の女性には、エストロゲンの急激な減少でホルモンバランスが乱れ、自律神経が不安定になることでさまざまな不眠の症状が生じます。

夜中に目が覚めてしまい、眠れないときにオススメなのが「ゆったりストレッチ」。
ゆっくりと深い呼吸をしながら筋肉を緩めるようにストレッチを行い、副交感神経の働きを優位にしてもう一度睡眠モードに入る体勢を整えます。

飲酒や喫煙、カフェイン摂取もなるべく控えるようにしてください。
アルコールには飲酒後2時間程度の催眠作用はあるものの、その後は睡眠が浅くなる方向に作用するといわれます。
タバコやカフェインにも覚醒作用があり、交感神経を優位にさせてしまう働きがあります。就寝直前の嗜好品は控えましょう。

根本的な体質改善には漢方薬もオススメです。
精神症状を和らげて自律神経を整える作用のある「酸棗仁湯(サンソウニントウ)」や、「気」を巡らせてうつうつとした感情を和らげる作用のある「柴胡加竜骨牡蠣湯 (サイコカリュウコツボレイトウ)」などが効果的です。

閉経にともなう早朝覚醒への対処法

早朝覚醒は、通常の起床時間の2時間以上も前に目が覚めることです。
十分に質の高い睡眠で爽やかな朝を迎えるためには、寝る前に1日の疲れをリセットすることが大切です。

就寝の30分〜1時間前に、リラックス効果のあるカモミール、ラベンダー、ジャスミンなどの温かいハーブティーを飲むことで交感神経を落ち着かせ、緊張をしっかりほぐしてから眠りにつきましょう。

年齢を重ねるにつれ、少しずつ睡眠リズムがずれ込んで早寝早起きになるのは自然なことですので、ある程度の早朝覚醒であればあまり心配する必要はありません。
しかし神経が細やかな方や抑うつ傾向の方で早朝覚醒が気になる場合には、日頃からストレスを溜め込まないように自分なりのストレス解消法を見つけておくことが大切です。

根本的な体質改善には漢方薬も効果です。
体力がなく、貧血気味の方の「血」を補い、「気」の熱を冷ますことで精神を安定させる「加味帰脾湯(カミキヒトウ)」や、「気・血」を巡らせ体内にこもった熱を冷ます「釣藤散(チョウトウサン)」などがオススメです。

まとめ

不眠を取り上げ原因別のセルフケアについてご紹介しました。
こちらで紹介したセルフケアを参考に、辛い不眠の症状を改善し、質のいい睡眠をとってスッキリと一日を始められるように工夫してみましょう。

こうした不眠症状の改善には漢方薬が効果を発揮した例があります。
セルフケアを試してもなかなか症状が改善しない場合には、お近くの漢方医や漢方薬局にご相談くださいね。

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